2025年のNHK大河ドラマ『べらぼう』では、徳川幕府の権力構造を支えた 「御三卿(ごさんきょう)」 が登場していますね。御三卿とは、将軍家の血筋を受け継ぐ「田安家」「一橋家」「清水家」の三家のこと。
この記事では、
- 徳川御三卿とはどのような存在だったのか?
- 御三家との違いは?
- 御三卿に序列はあったのか?
など、田安・一橋・清水の各家の成り立ちと歴代当主を、 家系図を交えてわかりやすく解説 していきます!
徳川御三卿って何?なぜ生まれたの?
2025年の大河ドラマ「べらぼう」でも登場しそうな 徳川御三卿(ごさんきょう)。でも、「御三家なら聞いたことあるけど、御三卿って何?」という人も多いはず。実は、この御三卿こそ 将軍家の血統を守るために生まれた“影のサポート役” だったんです。
では、なぜわざわざこの三つの家が作られたのか? そこには、徳川幕府ならではの 後継者問題 や 権力バランスの調整 というドラマチックな事情がありました。さっそく見ていきましょう!
徳川御三卿の役割とは?
「将軍家の血筋を守ること!」 これが御三卿の最重要ミッションでした。
江戸時代、将軍家にもし後継ぎがいなくなったらどうなるでしょう? 普通なら親戚筋から跡取りを探しますが、当時は 将軍家の血統を継ぐことが何よりも大事! そこで、 将軍家の血を色濃く受け継ぐ分家 を作って、いざというときに 跡継ぎを出せる体制 を整えたんです。
実際に、御三卿の一つ 一橋家(ひとつばしけ) からは、11代将軍・徳川家斉や、最後の将軍・徳川慶喜が誕生しました。つまり、「もしもの時のスペア将軍候補」として、御三卿は超重要なポジションだったんですね。
御三家と御三卿の違いは?
よく混同されがちなのが、徳川 御三家(尾張・紀州・水戸)との違い。
「どっちも将軍家の親戚でしょ?」と思うかもしれませんが、実は結構な違いがあるんです。
御三家(尾張・紀州・水戸) | 御三卿(田安・一橋・清水) | |
---|---|---|
立場 | 幕府を支える大名家 | 将軍家の直系サポート役 |
領地 | あり(それぞれの藩を持つ) | なし(江戸城内に屋敷) |
義務 | 参勤交代あり | 参勤交代なし |
役割 | 将軍候補になれる | さらに将軍に近い後継者候補 |
御三家は大名として各地に領地を持っていましたが、御三卿は 江戸城のすぐそばに住み、いつでも将軍家のバックアップができる状態 にしていたのが大きな違い! 言ってみれば、 将軍家の“近くて便利な親戚” という感じですね。
御三卿は誰が作った?
実は、御三卿を作ったのは 8代将軍・徳川吉宗(よしむね) でした。
吉宗は 「暴れん坊将軍」 でも有名ですが、政治手腕も抜群で、江戸幕府の財政を立て直した名君。でも、彼が将軍になったとき 「このままだと将軍家の血が薄れていくかも…」 と不安を感じたんです。
なぜなら、吉宗は 紀州藩(御三家)から迎えられた将軍 で、将軍家の直系ではなかったんですね。
将来また後継ぎ問題が起こるかもしれない…。そこで、自分の息子たちを分家として独立させ、「いざとなったらこっちから将軍を出せばいいじゃん!」と 保険をかけたのが御三卿の始まり でした。
実際、このシステムがあったおかげで、江戸幕府は最後まで続くことができたと言っても過言ではありません!
御三卿は幕府の“秘密兵器”だった!
徳川御三卿は、 将軍家の血筋を守るための“影のサポート役” でした。
- 将軍家の後継ぎ不足を防ぐために誕生
- 御三家よりも将軍家に近い血統を持つ特別な家系
- 8代将軍・徳川吉宗が未来の幕府安定のために考えたシステム
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徳川御三卿の家系図と歴代当主!
「将軍家のバックアップ要員」として生まれた御三卿。田安家・一橋家・清水家の三つの家が、それぞれどんな歴史を歩んできたのか、家系図とともにみていきましょう!
御三卿の家系図
① 田安徳川家:吉宗の次男・宗武が始めた家系
まず登場するのは 田安徳川家(たやすとくがわけ)。8代将軍 徳川吉宗 の次男・宗武(むねたけ) が作った家ですね。彼は1731年(享保16年)、江戸城の田安門の近くに住むことになり、そこから「田安家」と呼ばれるようになりました。
宗武はちょっと変わり種で、政治よりも 文学や和歌に熱中した文化人 でした。
とはいえ、田安家は幕末まで続き、後にはあの 松平定信(寛政の改革を主導)が生まれることに。定信は田安家の血筋を引いているので、御三卿の中でも特に有名な家系になりました。
↑↑ べらぼうで寺田心さん演じる賢丸(のちの松平定信)
田安家の主要メンバー
✅ 徳川宗武:田安家の創始者。政治より文化を愛した男
✅ 松平定信:田安家から出た幕政のキーマン。寛政の改革を行ったことで有名
✅ 徳川家達(いえさと):田安家出身で、後に徳川宗家を継ぎ、明治期の徳川家を支えた
田安家は、将軍家の血筋を継ぎながらも、 文化・政治両面で重要な人物を輩出した家系 でした!
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② 一橋徳川家:吉宗の四男・宗尹が作った一橋家
次に登場するのは 一橋徳川家(ひとつばしとくがわけ)。
こちらの創設者は、吉宗の四男 宗尹(むねただ)です。1740年(元文5年)、江戸城の一橋門の近くに住むことになり、「一橋家」と名付けられました。
べらぼう第2話では、宗尹の息子治済に子(豊千代)が生まれたお祝いのシーンが描かれましたね。
↑↑ べらぼうで生田斗真さん演じる一橋治済
この家のすごいところは、なんと 将軍を2人も輩出している こと。
- 11代将軍 徳川家斉(いえなり) は、一橋家から将軍に!
- 15代将軍 徳川慶喜(よしのぶ) も、一橋家の流れを汲んでいます!
幕末に活躍する慶喜がこの家系だったのは、なかなか興味深いですね。
一橋家の主要メンバー
✅ 徳川宗尹:一橋家の初代。将軍家の血筋を引く重要人物
✅ 徳川家斉:11代将軍。約50年にわたり幕政を担当した長期政権の人
✅ 徳川慶喜:15代将軍。幕末の動乱を乗り越え、最後の将軍となる
一橋家は、御三卿の中でも 特に将軍家とのつながりが深い家系 だったんですね。
③ 清水徳川家:9代将軍家重の次男・重好が興した家系
最後は 清水徳川家(しみずとくがわけ)。こちらは、9代将軍 徳川家重(いえしげ) の次男 重好(しげよし) が設立した家系です。
↑↑ べらぼうで落合モトキさんが演じる清水重好
他の二家に比べると、清水家はちょっと地味かもしれません。でも、江戸城の清水門の近くに住み、「清水家」として幕府内で一定の役割を担いました。
特に幕末には、 徳川慶喜の弟・徳川昭武(あきたけ) が当主になり、フランスに渡るなど 国際的な活動 をしていたんです!
清水家の主要メンバー
✅ 徳川重好:清水家の初代。将軍家の血筋を受け継ぎ、家系を存続させる
✅ 徳川昭武:幕末にフランスへ渡航し、パリ万博にも参加。国際派の徳川
清水家は 海外との関わりが深い徳川家系 という点で、ちょっと異色の存在です!
御三卿、それぞれの個性が光る!
同じ「将軍家のバックアップ役」でも、田安家・一橋家・清水家にはそれぞれ特色がありました。
🏯 田安家 → 文化・政治の両面で影響力を発揮(松平定信など)
🏯 一橋家 → 将軍を輩出し、幕末のキーパーソンも登場(家斉・慶喜)
🏯 清水家 → 幕末に国際的な活躍を見せる(昭武など)
2025年の大河ドラマ「べらぼう」では、この御三卿がどう絡んでくるのか…今から楽しみですね!
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御三卿に序列はあった?
「徳川御三卿」といえば、田安家・一橋家・清水家の三家。でも、これって “どこが一番格上” みたいな序列はあったのでしょうか?
答えは 公式な序列はなし!
でも、実際の歴史を見てみると 田安家と一橋家がちょっと優位 にあったかも…? という話もあります。では、それぞれのポジションを詳しく見てみましょう!
① 田安家が一番最初につくられた!
御三卿の中で 最も早く誕生したのが田安家(1731年)。設立したのは 8代将軍・徳川吉宗 で、江戸城の田安門付近に屋敷を構えたことから「田安家」と呼ばれました。
一番最初にできた分家なので、格式的には「筆頭」扱い されることもありましたが、あくまで非公式。とはいえ、田安家からは 幕政改革を主導した松平定信 など、歴史に名を残す人物も登場しているので、影響力は大きかったのかもしれません。
② 一橋家は将軍を輩出した実力派!
御三卿の中で 「実質的に最も出世した」のが一橋家 !
なぜなら、一橋家からは 11代将軍・徳川家斉、そして幕末の 15代将軍・徳川慶喜 という 2人の将軍が誕生 しているんです。
特に幕末になると、将軍候補としての存在感が一気にアップ。「一橋家のほうがむしろ最有力じゃない?」と見られるようになった時期もありました。
つまり、格式では田安家が筆頭っぽいけど、実際に影響力を発揮したのは一橋家! という感じですね。
③ 清水家はちょっと控えめ?
一方で、清水家は田安家・一橋家ほど政治の中心には関わらず、やや影の薄いポジションに。
とはいえ、全く目立たなかったわけではありません! 幕末になると、清水家の 徳川昭武(慶喜の弟) が フランスへ留学 し、パリ万博に参加するなど、国際的な活動をしていました。
ただ、国内の政治や将軍後継レースでは、他の二家ほどの影響力は発揮しなかったため、「御三卿の中では一歩引いた存在」とも言えます。
御三卿に公式な序列はないけど、影響力には差があった!
公式には 「御三卿に序列はない」 ことになっていますが、実際の歴史を見ると…
🏯 田安家 → 最も古く、格式的にはやや上
👑 一橋家 → 将軍を輩出し、政治的に強い
🏰 清水家 → 影が薄く、政治への関与は少なめ
と、実質的な影響力には違いがあったようです。
大河ドラマ「べらぼう」 では、この辺の力関係も描かれるのでしょうか?ちょっとドキドキしますね。
以上、今回は徳川御三卿について家系図を交えながらご紹介しました。
田安・一橋・清水の三家は、将軍家の血統を守り、幕府を支える重要な役割を果たしていました。特に松平定信は寛政の改革を主導し、幕政に大きな影響を与えました。
2025年の大河ドラマ「べらぼう」でも、御三卿がどのように描かれるのか楽しみですね!
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