2025年NHK大河ドラマ「べらぼう」の第12話。
今回は、吉原の夏祭りを巡る対立や、蔦屋重三郎が祭りの盛り上げに奔走する姿が描かれます。平沢常富の助言や、若木屋と大文字屋の熾烈な競争、さらに祭りの喧騒の中で交わる人々の運命が展開される回です。
この記事では、第12話のあらすじをご紹介します。ネタバレを含む点にご注意ください。
べらぼう|第12話のネタバレとあらすじ
吉原の祭りが動き出す
1777年、安永六年の正月。富本午之助が「富本豊前太夫」の名跡を襲名しました。この出来事をきっかけに、重三郎が営む耕書堂は豊前太夫直伝の富本正本を売り出し、吉原まで足を運ぶ客も現れるほどの人気となります。
一方、前年に吉原で催された祭りは、準備不足のため小規模なものに終わっていました。その悔しさから、吉原の親父たちは重三郎を呼びつけ、今年こそ盛り上がる祭りを企画するよう相談を持ちかけます。そんな中、吉原内で対立する若木屋から廻状が届き、8月いっぱい「俄」の祭りを行うと宣言されました。これには、親父たちはもちろん、重三郎も驚きます。
さらに廻状には、西村屋が「青楼俄狂言尽」という錦絵を売り出すという情報も書かれていました。錦絵で祭りを宣伝しつつ各見世の名前を広めようとする意図があり、吉原の親父たちは若木屋の出し抜けた行動に憤りを隠せませんでした。
平沢常富の助言
重三郎はこの日、秋田藩江戸留守居役の平沢常富と顔を合わせます。
吉原での対立を憂える重三郎に対し、平沢は「張り合うからこそ祭りは盛り上がるもの」と話し、むしろ競争を肯定しました。この助言に刺激を受けた重三郎は、大文字屋に「一番の出し物を見せつければ、来年から祭りの主導権を握れる」と提案します。
平沢も手伝うと申し出たことで、大文字屋は意気込みを新たにし、25両という大金を納めて祭りに参加を決めます。こうして、吉原の夏祭りは若木屋と大文字屋の間で火花を散らす展開となりました。
重三郎は祭りを盛り上げるために平賀源内を訪ね、内情を面白く文章にまとめるよう依頼します。しかし、源内は執筆には興味を示さず、「それなら明誠堂喜三二に頼むといい」と提案します。さらに、実はその喜三二の正体が平沢常富であることを明かしました。武士としての立場を持つ平沢は、正体を隠して戯作を書き人気を博していたのです。
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祭りがもたらした熱狂と絆
いよいよ始まった祭り。江戸中から多くの人が吉原に集まり、町は活気に満ち溢れました。女子どもの出入りも許され、通行切手も必要ない解放的な雰囲気の中、吉原各所で出し物が披露されます。豊前太夫は浄瑠璃を語り、大文字屋と若木屋はそれぞれ雀踊りを披露。異なる振り付けで観客を沸かせました。
重三郎はこの熱狂を記録に残そうと決意。芝居絵の名手・勝川春章に絵を依頼し、平沢に祭りの記念冊子「明月余情」の序文を頼みました。こうして完成した冊子は、祭りの記念品として飛ぶように売れたのです。
祭りの終幕
祭りの最終日、大文字屋と若木屋の一団は連日続けてきた雀踊り対決を終え、ついに共に踊りながら吉原の大通りを練り歩きます。その光景に観客も加わり、町全体が踊りの渦に包まれました。
その中で、足抜けに失敗し引き裂かれていたうつせみと小田新之助が再会。祭りの喧騒に紛れ、大門を越えて姿を消しました。吉原の熱気とともに、二人の新たな旅立ちが静かに幕を開けたのでした。
2025年大河ドラマ|べらぼうのあらすじとネタバレ全話まとめ
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べらぼう第12話の見どころ解説
2025年NHK大河ドラマ「べらぼう」第12話のタイトルは「俄なる『明月余情』」。
このタイトルからも、吉原の祭りを中心に展開される熱気や、そこに関わる人々の情熱が伝わってきます。俄(にわか)とは即興の演劇や踊りを指し、吉原の華やかな文化とともに描かれるその一瞬の輝きに期待が高まります。
重三郎が祭りを通じて吉原の結束を図ろうと奮闘する姿は、大河ドラマらしい「人と人との物語」が感じられるポイント。特に、吉原内で対立する大文字屋と若木屋が、祭りを通じてどうやって手を取り合うのかが見どころです。雀踊りの対決から最後に共に踊るシーンは、観る側の心を熱くさせるはず。
また、平沢常富の助言や、祭りを記録する冊子「明月余情」の制作は、文化や記録の力を再認識させられる場面。平沢の正体が明かされることで、武士としての立場と文化人としての顔を持つ彼の多面性にも注目です。歴史ファンとしては、このような江戸時代の文化交流がどのように描かれるかも楽しみですね。
ちなみに、「明月余情」は、安永6年(1777年)に蔦屋重三郎が出版した吉原絵本で、全3編から成ります。この絵本は、吉原で行われた秋の祭「俄(にわか)」を徹底的に取材し、即興の演劇や踊りの様子を詳細な絵によって記録したものです。演じた遊女の名前や、祭りの賑わいも描かれており、当時の吉原の文化を伝える貴重な資料となっています。序文は朋誠堂によって書かれ、大正9年(1921年)には稀書複製会によって複製が刊行されました。
この回、べらぼう第12話の注目点は、祭りが単なる娯楽ではなく、人々を結びつける象徴であるということ。吉原という舞台ならではのエネルギーと、登場人物たちが見せる葛藤や努力が、このエピソードをさらに深いものにするでしょう。「俄なる『明月余情』」というタイトルが示す即興の中にある美しさを、どのように映像で表現するのか期待が膨らみますね。
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