NHK大河ドラマ『べらぼう』で話題の蔦屋重三郎。
その妻「てい」がいよいよべらぼう第24話から登場しますね。しかし、蔦屋重三郎は、実際に妻はいたのでしょうか?
この記事では、
- 蔦屋重三郎に妻はいたのか?
- ドラマに登場する妻「てい」とは?
- 「てい」役の橋本愛さんについて
- 妻「てい」と花魁・瀬川、重三郎が愛したのはどちら?
についてご紹介します。
蔦屋重三郎に妻はいた?史実における家庭事情
横浜流星さんが演じることで再注目されている蔦屋重三郎。文化人たちと交流し、出版界をけん引した才人ですが、プライベートではどんな家庭を築いていたのでしょうか?
実際に妻がいたのか?名前は?子どもは?
気になる史実をひもといてみましょう。
史実、蔦屋重三郎に妻はいた
結論から言うと、蔦屋重三郎に妻がいたことは史実として確認されています。
菩提寺である正法寺(東京都台東区)には、重三郎とともに「妻女」の存在が記された墓碑があり、彼が結婚していたことがわかります。
ただし、その妻については、名前や出自などの詳しい記録はほとんど残っていません。町人階級の女性だった可能性が高く、当時の記録では表に出にくい存在だったことがうかがえます。
「トヨ」という名前の出どころは?
一部の小説や映画(例:2021年の映画『HOKUSAI』)では、蔦屋重三郎の妻として「トヨ」という名前が使われています。これは、史料に基づく名前ではなく、創作上の便宜的な名前と考えられています。
背景としては、彼女が「町娘出身だった」という伝承やイメージに基づき、「トヨ」という庶民的な名前が使われるようになったものと見られます。
史実上の名前は「てい」か?戒名に残る手がかり
一方で、正法寺にある戒名には「妙貞日義信女(みょうていにちぎしんにょ)」という記録があり、ここから「てい」という名が由来したとする説があります。
ドラマ『べらぼう』でも妻の名前は「てい」とされており、これは史実に乏しい記録をもとにした解釈的な再構成といえるでしょう。脚本家の創作としては、史実との整合性を保ちながらも物語性を高める巧みな演出です。
蔦屋重三郎の子どもは?事業を継いだのは誰?
重三郎と妻の間に子どもがいたという記録は残っていません。その代わりに、重三郎の死後は番頭(手代)の一人が婿養子となり、蔦屋を継承したと伝えられています。これも、江戸時代の町人社会ではよくある形でした。
江戸の町人にとって「妻」とはどんな存在だったか
江戸時代の町人にとって、妻は「家計を守り、商いを支えるパートナー」でした。表に出ることは少なかったものの、裏方としての影響力は非常に大きく、特に出版業のような文化的職業では、人脈や金銭の管理、交渉の場面で妻の支えが不可欠だったと考えられます。
重三郎の事業が成功した背景にも、表には出ない妻の存在が確実にあったことでしょう。
続いて、ドラマ『べらぼう』に登場する「てい」という女性が、どのように重三郎と関わり、物語を支えているのかを見ていきましょう。
スポンサーリンク
べらぼう|蔦屋重三郎の妻「てい」はどんな女性?
NHK大河ドラマ『べらぼう』で、蔦屋重三郎の“妻”として登場する「てい」。
史実には名を残していないものの、ドラマの中では重要なパートナーとして描かれており、その人物像には多くの魅力が詰まっています。ここでは、ていの設定や性格、夫・重三郎との関係について深掘りしていきましょう。
“本屋の娘”として育った知性派
まず注目すべきは、ていの出自です。
公式設定によれば、重三郎の妻となる「てい」は江戸の本屋の娘として生まれ育ちました。つまり、小さな頃から本に囲まれ、言葉と文字に親しんできた女性。出版文化の最前線に立つ重三郎と出会うべくして出会った、とも言える背景です。
しかも、ていの“本好き”はただの趣味ではありません。彼女の知性や価値観の核に、本という存在があるのです。
そのため、蔦屋が扱う書物や浮世絵についても、ただ「商売」としてではなく、「文化」としての意味を理解している――そんな深さを持った人物として描かれています。
「読み手の心に火をつけるような本を届けたい」と願う重三郎と、「本を通して世の中を照らしたい」と静かに思うてい。この精神的な“軸の一致”が、二人の絆の根本にあります。
控えめだけどブレない、芯の強さとまっすぐな眼差し
蔦屋重三郎の妻・ていの魅力は、表情や態度が派手でないところにこそあります。
言葉少なに、でもはっきりと自分の意見を持ち、夫の言動にも過度に巻き込まれることなく自分の判断軸をしっかり保っている。まさに「静かな強さ」を体現する存在です。
脚本側も、ていを「謹厳実直」で「義理堅い」女性として設定しており、ドラマ内では派手さのない芯の強さが丁寧に描かれています。
重三郎が奔放に動くタイプだとしたら、ていはそれを俯瞰し、冷静に見つめる側。とはいえ、ただ受け身で支えるだけの“古典的な妻”ではなく、自分の意志を持って家庭や商売に関わっていく“対等なパートナー”なのです。
蔦屋重三郎とていの夫婦関係
ていと重三郎の夫婦関係は、いわゆる“恋愛感情”だけにとどまりません。
ていの登場によって重三郎の人生が大きく変化する…というより、すでに方向性を持って生きてきた二人が、「たまたま同じ方角を見ていた」ことに気づく瞬間が描かれています。
橋本愛さん自身も、インタビューの中でこう語っています
なんで、蔦重がこの人を好きになったのかに物語のヒントがある気がしている。そこに注目してほしい。
つまり、“てい”という人物は、重三郎を引き上げたり、陰で支えたりという存在ではなく、横に立って並走する相棒としての立場が色濃いのです。
また、てい自身の中にも過去の痛みや葛藤があり、だからこそ「誰かの夢に伴走する覚悟」ができている。そうした静かな情熱が、物語に重みを与えています。
ドラマ『べらぼう』の中で、ていの存在が静かに、でも確かに物語の屋台骨を支えているのです。次章では、そんな“てい”を演じる橋本愛さんの魅力に迫ります。
スポンサーリンク
蔦屋重三郎の妻「てい」役は橋本愛!
大河ドラマ『べらぼう』で蔦屋重三郎の妻「てい」を演じるのは、実力派女優の橋本愛さん。
落ち着いた佇まいと深い表現力で、“静かながら存在感のある妻”にぴったりといえますね。
大河の“妻役”はお手のもの!橋本愛のこれまで
橋本愛さんといえば、『告白』『桐島、部活やめるってよ』『リトル・フォレスト』など話題作で独特の空気をまとう演技を見せてきた女優。
大河ドラマへの出演もすでに4度目。
- 『西郷どん』の須賀役(2018年)
- 『いだてん』の小梅役(2019年)
- 『青天を衝け』の尾高千代役(2021年)
いずれも“妻”や“支え役”を好演してきました。
そんな彼女が今回演じるのが、「重三郎の人生を静かに、でも確かに支えるてい」。まさに“橋本愛だからこそできる役”と、ファンの間でも話題になっています。
蔦屋重三郎の妻「てい」は自分の人生を生きる女性
橋本さん自身も、“てい”という女性に特別な想いを持っているようです。NHKのニュース番組の中で、
「誰かに支配されたり、ただ従うのではなく、自分で選んで、自分の意志で進んでいく女性として演じたい」
と語っており、芯の通った人物像を大切にしていることがうかがえます。
重三郎に寄り添う存在でありながら、彼女自身の中にも揺るがない軸がある。橋本さんの演技からは、その“静かな強さ”がにじみ出るのではないでしょうか?
次は、そんな「てい」と「瀬川」、蔦屋重三郎が本当に愛したのはどちらだったのか?――気になる愛の行方に迫ります!
スポンサーリンク
妻「てい」と花魁「瀬川」──蔦屋重三郎が本当に愛したのはどっち?
『べらぼう』を見ていて、気になった人も多いはず。蔦屋重三郎のそばには、タイプのまったく違う2人の女性が登場しますね。
一人は、おっとりしながらも芯が強い妻・てい。もう一人は、吉原一の花魁・瀬川。重三郎が本当に心を預けたのは、果たしてどちらだったのでしょうか?
ていは“暮らしに根ざす愛”をくれる女性
ていは、本屋の娘として育った知性派。読書が好きで、人の気持ちをよく見ている“静かな賢さ”が魅力です。控えめだけど、意志はしっかり。重三郎が右往左往しても、ぐっと地に足をつけてそばにいてくれるような存在です。
派手さはないけれど、言葉の節々に思いやりがにじみ出て、まさに「家庭と仕事を支えるパートナー」。一緒に年を重ねたくなるタイプですね。
瀬川は“夢を燃やす華やかな愛”
一方、瀬川は吉原で名を馳せた伝説の花魁。華やかで、儚くて、自由を求めて生きる姿が印象的でした。
『べらぼう』では重三郎の幼なじみという設定になっていて、ふたりの間には“過去”という名のドラマがギュッと詰まっています。
瀬川はまるで、一夜だけ咲いて散る桜のような存在。重三郎が瀬川を愛するということは、夢や美しさに手を伸ばすことに近かったのかもしれません。
どちらも“愛”
ていと瀬川。どちらが正解とか、どちらが勝ちとか、そんな単純な話じゃないんですよね。
ていは「これからを共にする人」、
瀬川は「忘れられない過去の人」。
重三郎にとって、ふたりはまったく違う愛のかたちを見せてくれた大切な存在。現実と夢、静と動。人生の中で両方が必要だったからこそ、べらぼうの中の重三郎は両方に心を動かされたのかもしれません。
史実×創作がうまく効いてる!
ちなみに、瀬川は実在した花魁「花の井(五代目瀬川)」がモデルとされています。重三郎との関係も、伝説として語られることはあるものの、確証はありません。
一方で、ていは名前すら記録に残っていない“謎の妻”。だからこそ、ドラマでは自由にキャラクターをふくらませられる存在でもあります。
ていと瀬川、史実とフィクションをうまく組み合わせて描かれているところが、『べらぼう』の面白さといえそうですね!
重三郎が愛したのは「どっち」じゃなく「どちらも」
- てい=安心と共に歩む人生のパートナー
- 瀬川=刹那の輝きと文化への情熱をくれた人
- どちらも、重三郎に欠かせない存在だった
人生って、愛のかたちも一つじゃない。
重三郎が見せてくれるのは、そんな“大人の答え”なのかもしれませんね。
以上、今回は蔦屋重三郎とその妻についてお伝えしました。
史実にはほとんど記録が残っていない“妻”という存在を、ドラマ『べらぼう』では「てい」として丁寧に描いています。重三郎の人生を陰ながら支えるていの姿に、多くの視聴者が共感と感動を覚えていることでしょう。
これからの物語で、夫婦としてどんな道を歩んでいくのか
――蔦屋重三郎とていの関係からも、ますます目が離せません!
こちらもCHECK