2025年NHK大河ドラマ「べらぼう」の第18話。今回は、蔦屋重三郎の前に、かつて深い縁があった人物が再び現れ、重三郎のまっすぐな思いがひとつの未来を動かしていく展開が描かれます。
この記事では、第18話のあらすじをご紹介します。ネタバレを含みますので、ご注意ください。
べらぼう|第18話のネタバレとあらすじ
青本十作と喜三二の「筆」トラブル
ある日、重三郎は行方を追っていた唐丸についての手がかりを探して賭場を訪れます。賭博好きで有名な北川豊章が出入りしていると聞き、会いに行ったものの、現れたのは五十歳ほどの武士風の男。思っていた人物とは違いました。
落胆したのもつかの間、戯作者の喜三二が現れて、恒例の青本について打ち合わせが始まります。
重三郎は十作もの作品を依頼しますが、喜三二は「そんなに書けるか!」と難色。しかし「居続け」を条件に、しぶしぶ引き受けることになりました。居続けとは、吉原で特別な客だけが許される連泊のことです。
喜三二は松の井花魁の部屋で至れり尽くせりの環境を手に入れ、執筆生活へ。
ところがある日、突然“筆”が立たなくなります。つまり「腎虚」です。精力が落ちてしまい、仕事どころではありません。医者が呼ばれ、強壮薬を飲むことに。「大丈夫です、休めば戻りますよ」と医者に言われても、心配でならない喜三二。
夢の中で、息子のような“下の筆”が大暴れし、いねに斬り落とされそうになる恐ろしい体験をします。目が覚めると薬が効いていて、なんと復活!
喜三二の顔には、ふたたび笑顔が戻っていました。
唐丸こと捨吉のつらい過去
一方、捨吉は吉原の裏稼業で身を売る生活を送っていました。
ある夜、乱暴な客に襲われて気を失っていたところを重三郎が発見。心配する重三郎に、「この暮らしが好きでやってる」と言い張る捨吉ですが、やがて心の奥にしまっていた過去を語り始めます。
母は夜鷹、つまり路上の遊女で、幼い捨吉は金を稼ぐ道具として扱われてきました。
七歳になると客に売られるのが当たり前の環境。その中で唯一の希望が、妖怪絵師・鳥山石燕との出会いでした。彼の絵を写す楽しさに夢中になった捨吉は、石燕から「一緒に暮らして絵を学ばないか」と誘われます。
しかし、それを母が許すはずもなく、捨吉は暴力で押さえつけられます。そんな矢先に明和の大火が起こり、母とともに家が焼け落ちていきました。
火事の中で逃げ出そうとした捨吉の足を、瓦礫の下敷きになった母がつかみ、「あんたは人の命を吸う鬼の子だ」と罵られます。
恐怖に駆られ、捨吉は母の手を振りほどいて逃げました。罪悪感に苛まれたまま川へと向かい、母の情夫ヤスとともに死のうとしますが、助かってしまいます。「鬼の子だから死なない」と、自己嫌悪を抱え続けていたのです。
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「歌麿」として生き直す決意
そんな捨吉に、重三郎は「お前が生きたいなら手を貸す」と伝えます。そして駿河屋の協力を得て、かつて籍を置いていた“勇助”という名で人別(戸籍)を復活させ、新しい人生を用意します。
突然現れた豊章が捨吉を連れ戻そうと店に乗り込んできますが、重三郎は「この子は俺の義弟・勇助です」と芝居を打ちます。ふじが用意した人別の写しもあり、豊章も納得。こうして捨吉は「勇助」として新たな一歩を踏み出すことになります。
そして重三郎は、捨吉に画号を提案します。
「歌麿ってのはどうだ? “丸”じゃなくて“麿”にすりゃ、なんだか高貴に見えるだろ?」
戸惑いつつも捨吉は笑顔を見せます。「義兄さんの言うことに逆らえませんから」と答えるその姿は、唐丸だった頃の幼さと決別したかのようでした。
重三郎は胸がいっぱいになります。
「お前を助けることで、俺が救われるんだ。だから生きてくれ」
その言葉に、歌麿は静かに頷きました。
喜三二の「夢物語」と未来へ続く一歩
一方、喜三二が書き上げた青本の原稿『見徳一炊夢』は、実にユニークな作品でした。
裕福な若者が夢を買い、豪遊を楽しむが、すべては一瞬のうたた寝の間に見た夢だった――というストーリー。「夢から覚めたと思ったら、それもまた夢」という展開に、重三郎も「すげぇや」と感嘆します。
「まぁ、息子のおかげですかね」と冗談まじりに喜三二が語る姿は、以前の腎虚でしょげていた姿とはまるで別人のよう。
こうして、重三郎は耕書堂を支える仲間を着々と増やしていったのでした。
2025年大河ドラマ|べらぼうのあらすじとネタバレ全話まとめ
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べらぼう第18話の見どころ解説
べらぼう第18話は、いよいよ“あの子”との再会が描かれる注目の回になりそうです。蔦屋重三郎が過去に深く関わった人物と再び向き合い、心を揺さぶる展開が待っていそう。これまで明るく軽妙に描かれてきた重三郎のキャラクターですが、今回は彼の優しさや覚悟が、じっくりと描かれることになるのではないでしょうか。
また、江戸の文化を支えた“青本づくり”にも新たな波乱が。戯作者・喜三二の“筆問題”という、まさかの展開に笑ってしまいそうですが、どこか人間臭くて憎めないやりとりがありそうです。
さらに気になるのは、後に“歌麿”という名で知られることになる絵師の誕生につながる流れ。まだその正体ははっきりとは描かれていませんが、視聴者としては「もしかして……?」とワクワクしてしまいますよね。
人と人がつながっていく奇跡や、再出発を後押しする重三郎の情熱。この回には、ただの“復興の物語”ではなく、“誰かを救う物語”としての重厚な魅力が詰まっていそうです。歴史ファンとしても、大河ファンとしても、じっくり見届けたい一話です。
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