2025年NHK大河ドラマ「べらぼう」の第31話。
今回は、江戸を襲った大洪水の混乱や、将軍・徳川家治の病、田沼意次をめぐる政変の気配など、時代の転機を感じさせるエピソードが描かれる予定です。
この記事では、「べらぼう」第31話のあらすじをわかりやすくご紹介します。ネタバレを含みますので、ご注意ください。
べらぼう|第31話のネタバレとあらすじ
江戸を襲った大水害
天明六年の夏、江戸の町は連日の豪雨に見舞われ、大規模な水害が発生しました。
利根川の堤防が決壊し、濁流が江戸市中を飲み込みます。蔦屋の店にも水が押し寄せ、重三郎は手代たちとともに、本や紙、墨などを急いで二階へ運び上げていました。
ていも率先して本を守り、つよやみの吉は台所の米俵を土間から避難させるなど、皆が懸命に動き回ります。
重三郎の「引けー!」という声に続いて、みの吉たちも声を合わせ、町に響く叫びが江戸の空を揺らしました。
やっと雨が上がった頃には、町のあちこちが壊滅状態。
幕府も救援に動き、握り飯やろうそく、水などを被災者に配布しました。
しかし、物価の高騰は避けられず、米や水、油などの値段も上昇の気配。意次は値上げを禁じる触れを出しますが、果たして効果はあるのか、不安が広がります。
深川の長屋で見えた、人のぬくもり
水が引いた後、重三郎は深川の新之助のもとを訪ねます。
長屋ではふくが赤ん坊を背負いながら台所で湯を沸かし、近所の子どもたちにも乳を分けていました。
乳が出なくなった母親たちのために、自分の乳を与えるふく。その姿は、まるで菩薩のように優しく、力強いものでした。
重三郎は、ていが縫った赤子用の着物や襁褓、そしてわずかな米をふくに届けます。
「とよ坊が干上がっちまうだろ」と気遣う重三郎の言葉に、ふくは感謝の涙を浮かべました。
被災した町人や職人たちは、復旧作業に追われる日々を送る中、幕府から新たな通達が届きます。それは「貸金会所制度」のため、町方に金を出せというものでした。大名への貸し付け金を町人に負担させるという内容に、町では怒りの声が噴き出します。
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最期
一方、将軍家治は体調を崩し、大奥では知保の方が心配して「醍醐」という滋養食を手作りし献上していました。
これは定信の助言によるものでしたが、家治はその後、体調をさらに悪化させてしまいます。
病床の家治のもとに意次が呼ばれると、そこには不穏な空気が流れていました。
「毒を盛られた可能性がある」と家治は語り、表には出てこない黒幕の存在を匂わせます。
その影にいるのは、密かに権力を狙う治済。
病床の家治は、枕元に呼び寄せた家斉に向かって、力弱く語りかけます。「田沼主殿頭は、まとうどの者である」——。それは、政の表舞台から遠ざけられた意次に託す最後の言葉であり、次代を支える柱となってほしいという遺言でもありました。
そして家治は「天は見ている」と最期の力を振り絞り、治済を見据えて言い放ちました。
家治が亡くなり、次期将軍には家斉が就くことに。
治済は深々と頭を下げ、「これからはこの父が支えます」と宣言します。意次はすでに失脚しており、もはや政の表舞台には立てませんでした。
新之助の慟哭
市中では、さらなる悲劇が起こります。
施米を受け取って帰宅した新之助が目にしたのは、ふくととよ坊の変わり果てた姿でした。犯人は流民の若者で、乳をもらっていた赤子を抱える妻とともに、必死に許しを請います。
「これは俺の姿だ」と新之助は震える拳を握りしめ、涙を流しました。
重三郎は新之助に「うちに来ないか」と誘いますが、新之助は無数の墓が並ぶ無縁仏の丘を見つめながら、言いました。
「もう逃げてはならぬ気がする。この場所から」
彼の心に宿ったのは、命の重さと、失われた日常の重み。ふくの姿が、言葉なきままに語りかけていました。
2025年大河ドラマ|べらぼうのあらすじとネタバレ全話まとめ
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べらぼう第31話の見どころ解説
天明の大洪水が江戸を呑み込み、町も人も運命の分かれ道に立たされる
べらぼう第31話は、歴史ドラマファンにとって見逃せない「転機」となる一話です。
まず注目したいのは、蔦屋重三郎の行動力。
洪水の混乱の中で本や紙を守り、職人たちのために奔走する姿には、出版人としての使命と人情が詰まっています。
そして、自ら被災したふく一家へ足を運び、さりげなく支える姿も印象的。とよ坊のためにていが縫った布や米を届ける場面は、吉原で生きてきた者たちのつながりの深さがにじみます。
一方、幕府の「貸金会所令」が発表されたタイミングが最悪。
大災害の直後に町人から金を徴収するという制度に対し、通油町の商人たちは困惑と怒りを露わにします。
この政策が意次と定信の対立を一層激化させ、緊張感が一気に高まっていく構図も見どころです。
そして後半、物語は政から「命の重み」へと焦点を移していきます。
家治の病と最期の言葉は、まるで歴史の節目を見届けるかのような静かな迫力。
「田沼はまとうどの者である」という家治の遺言が、意次の立場に一筋の光をもたらす一方、裏で糸を引く治済の不気味さが浮き彫りになります。
さらに衝撃的な展開も訪れますね…。
物語が大きく転がり始めた今、次の“時代の節目”がどこに向かうのか。政治、庶民、家族、それぞれの「生」と「死」が交錯する第31話となりそうです。
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