2025年NHK大河ドラマ「べらぼう」の第27話。
今回は、田沼意知と蔦屋重三郎が米価高騰に立ち向かう中、吉原や佐野家にも大きな動きが訪れそうです。
この記事では、「べらぼう」第27話のあらすじを詳しくご紹介します。ネタバレを含みますのでご注意ください。
べらぼう|第27話のネタバレとあらすじ
すれ違う思惑、揺れる佐野家
天明四年の新春。蝦夷地を巡る情勢が揺れ動く中、松前家と島津家の要人たちが一橋治済のもとを訪ね、幕府による直轄化を止めてほしいと頼み込みます。この計画に田沼意次が関与していると知った治済は、思わず顔をしかめます。
そのころ、田沼屋敷には一人の老人が現れました。江戸城の番士・佐野政言の父、政豊です。彼はかつて田沼家に差し出した家系図を返してほしいと申し出ました。続いてやって来た政言も、父と共に頭を下げ、再び取り上げてほしいと懇願します。
実のところ政言は、田沼家よりも古くからの家柄であることを示すため、系図を手土産に取り立てを望んでいたのです。しかし意次は、その話を意知から聞かされたときにひどく機嫌が悪く、受け取った系図を池に投げ捨ててしまった過去がありました。
この経緯を知った意知は、父の代わりに政言を取り立てるよう命じられます。そして政言には、将軍の鷹狩りに同行するという、絶好の機会が与えられるのでした。
疑惑の雁と誰袖の未来
鷹狩りの現場で政言は、自分が雁を射止めたと胸を張りましたが、雁の姿はどこにも見当たりません。見えを張った政言はその場で非難を浴び、意気消沈します。
やがて政言のもとに、正体不明の男が現れます。男は政言の矢が刺さった雁を手に、「意知がこれを森の中に隠したのを見た」と告げました。しかし政言はその話を信じることができず、意知への信頼を貫きます。
その一方で、意知は吉原の誰袖を訪ね、「米価が落ち着いたら身請けしたい」と伝えました。けれど、世の中の流れは逆行します。米は高騰し、富裕層による買い占めが横行。町では、田沼家が不正を働いて儲けているという噂まで流れはじめました。
出版業にも不景気の波が押し寄せ、重三郎が正月に出した狂歌集も売れ行きが振るいません。そんな重三郎を訪ねてきたのが、大文字屋の主人・市兵衛。市兵衛は、意知が誰袖を身請けするという話も、これでは立ち消えになってしまうのではと不安を口にします。
この話を聞いていたていが声を上げました。
「このまま指をくわえて見ているのではなく、日本橋の皆で力を合わせて米価を下げる知恵を出し合いましょう」
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米の流通と吉原の決断
ていの一言に背中を押された重三郎は、すぐに行動に移ります。商人仲間に声をかけ、策を練る会議が始まりました。導き出された案は、幕府が米を買い取り、そのままの価格で民に販売するという前代未聞の方法。
重三郎はこの案を持って田沼家を訪れます。意知は最初、「武士が商売まがいのことなど」と戸惑いましたが、重三郎ははっきり言い切ります。
「これは商いではなく、政治です」
さらに重三郎は、誰袖の運命を思い、深く頭を下げます。「身請けされなければ、女郎としての日々は命を削るだけです」と。
それを聞いた意知は静かに言います。「もう手配してあります」。
誰袖は、表向きは土山宗次郎という人物の名義で身請けされる手はずになっていたのです。世間の目を避けつつ、心通わせる者同士が自由に会えるように配慮されていました。
重三郎は感動し、蝦夷地に関する件でも尽力を惜しまないと誓います。
咲かぬ桜と刀を研ぐ夜
意知は老中の会議に出席し、大坂で押収された米二十万石を活用する方策を提案します。「この米を、苦しむ民のために使わせてください」と真摯に訴えました。
そのころ佐野家では、庭にある桜の木が例年になく花をつけず、父・政豊はそれを見て「お前が桜を枯らしたのだ」と政言に怒りをぶつけます。そしてついには、錆びた刀を振るってその桜を斬りつけようとする始末。
その後、以前現れた男が再び政言の前に姿を見せます。
「田沼の桜をご覧になりましたか?」
それは政言が意次に贈った木であり、いまは神社に寄進されて見事に咲き誇り、「田沼の桜」として人々の目を楽しませていると語るのです。
政言は言葉を失い、悔しさと悲しみのなかで、自宅に戻ると父の古刀を手に取り、ひたすら研ぎ続けました。
その夜、吉原では身支度を整えた誰袖が大文字屋をあとにしようとしていました。重三郎が現れ、ふたりが出会ったときの様子を絵にした一枚を手渡します。
「歌麿に頼んで描いてもらったんだ」と重三郎。
「今宵はふたりで、桜の下で月を眺めることになっております」
そのころ江戸城では、鋭く光る刀を手にした政言が、意知に向かっていたのです。
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2025年大河ドラマ|べらぼうのあらすじとネタバレ全話まとめ
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べらぼう第27話の見どころ解説
「べらぼう」第27回は、政治、経済、そして人情が交差する、まさに“大河”らしい重厚な一編になりそうです。
物語の軸となるのは、天明の米価高騰。
混乱のなかで、町人である重三郎たちが「どうすれば庶民を救えるか」を真剣に考え、日本橋の旦那衆と手を組んで策を練るくだりは、まさに庶民発の改革ドラマ。商いではなく「政」として米の流通に切り込もうとする姿勢は、見ていて胸が熱くなりそうです。言葉と知恵を武器に、世の中を少しでも動かそうとする重三郎の奮闘に注目です。
その一方で、吉原に生きる誰袖の運命も大きく動きます。
身請け話がようやく現実となり、武家の装いで花街を去る誰袖。ここに至るまでの意知と重三郎のやりとりには、武士と町人、そして遊女という立場の違いを超えた“情”があり、それが江戸の人間模様の魅力でもあります。別れの場面で手渡される、歌麿が描いた一枚の絵……細やかな演出に期待が高まりますね。
さらに、佐野政言の葛藤がじわじわと緊張感を高めていきます。
咲かぬ桜、寄せられない功績、報われない忠義。政言が怒りを刀に込める姿には、静かでありながらも深い悲しみがにじみます。彼が意知に向ける感情は、単なる嫉妬ではなく、父からのプレッシャーや誇りの崩壊といった複雑な背景を含んでおり、そこにドラマとしての奥行きを感じさせます。
今回の回では、戦や陰謀といった派手な展開こそありませんが、日々の暮らしのなかで生まれる「小さな決断」が積み重なっていく様子が丁寧に描かれそうです。町の商人、政治の中枢、そして遊女の世界まで、それぞれの立場から見える「この時代の真実」に、じっくりと向き合える回になるはず。
ラストには思わぬ緊張が走る場面も予告されています。穏やかな流れのなかに潜む、一刺しの衝撃。その結末がどこへ向かうのか、心して見届けたくなりますね。
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