2025年後期の朝ドラ『ばけばけ』。
物語は第3週へと進み、主人公・トキの出生の秘密や、雨清水家を揺るがす大事件が描かれます。
明治という大きな時代の流れのなかで、家族とは、親子とは何かが問われる週となりそうです。
この記事では、『ばけばけ』第3週(第11話~第15話)のあらすじをまとめました。ネタバレにご注意ください。
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ばけばけ|第3週のあらすじ
ばけばけ第11話のあらすじ(10月13日)
出雲に馴染むトキと銀二郎
夜明けの大橋川。トキと銀二郎は川面に立ち、出雲大社の方角へと向かい、四度の柏手を打ち鳴らしました。
「ふぅ……ようやく松江の人間になった気がする」
銀二郎がそうつぶやくと、トキは微笑みながら答えます。
「もう立派に、松野家の一員ですけん」
司之介とフミをはじめ、松野家の面々は銀二郎を温かく迎え入れていました。
武家の誇りにとらわれることなく、銀二郎は荷運びの仕事に就きます。
一方のトキは傅(でん)の工場で機織りの仕事に精を出し、二人は毎朝肩を並べて出かけていくのでした。
日が暮れると、銀二郎の語る鳥取の怪談話に耳を傾け、夜更けまで笑い合う。そんな穏やかな日々が続きました。
しかし、平穏は長くは続きません。
ある日、松野家に森山が現れ、家族の収入の大半を持ち去ってしまいます。
銀二郎はそのやり取りを通じて、松野家が深刻な借金を背負っていることを初めて知るのでした。
一方、雨清水家では大事件が。跡継ぎの長男・氏が帳簿と手紙を残して姿を消してしまったのです。
「工場の苦境はすべて私の責任」としたためられた手紙を前に、傅は動揺を隠せません。
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ばけばけ第12話のあらすじ(10月14日)
工場の混乱と傅の病
「三之丞、お前に頼みたい。わしが金策に走る間、事務室を任せる」
突然の傳からの命令に三之丞は戸惑いながらも、父の期待を背負うことになりました。
工場では平井が「一人一日一反を織らせれば立て直せる」と提案。
経験の浅い三之丞は深く考えず、その策に同意してしまいます。女工たちの負担は増すばかりでした。
そこへ金策に失敗した傅が帰宅。激しい腹痛に襲われ、倒れてしまいます。
しかし、箱入り娘のタエには看病の術がなく、三之丞も右往左往するばかりでした。
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ばけばけ第13話のあらすじ(10月15日)
松野家の秘密
状況を案じたトキは松野家の家族に思い切って願い出ました。
「私に看病をさせていただけませんか」
傅とタエに恩を受けた身として、どうしても力になりたい――。
銀二郎は体を案じて反対しますが、司之介とフミはその思いを受け入れました。こうしてトキは工場の仕事をこなしながら傅の看病に励む日々が始まります。
献身的に傅の看病を続けるトキ。その裏で、松野家ではある秘密が語られていました。
「おじょは……タエ様が産んだ、雨清水家の子じゃ」
司之介とフミが漏らした言葉を、銀二郎が偶然耳にしてしまったのです。勘右衛門が「寝言でも口にするな」と釘を刺しますが、真実の重みは銀二郎の胸にのしかかりました。
傅の病状はさらに悪化し、匙を持つ力すら失っていきます。トキが口に運んだかゆを味わいながら、傅はしみじみと言いました。
「うまいのぅ……」
ばけばけ第14話のあらすじ(10月16日)
タエの提案
トキが傳の看病を続けて三週間が経ちました。
それでも傳の体調はなかなか回復せず、焦りと不安が募ります。
工場の様子を気にかける傳に、トキは「順調です」と穏やかに答えますが、実際は違っていました。
傳の不在を取り戻そうと、トキや仲間たちは昼夜を問わず懸命に働いていたのです。
ある晩、看病のために夕食を用意していたトキが、思わぬけがを負ってしまいます。そのとき駆けつけたタエの口から告げられた提案の言葉に、トキは大きな衝撃を受けます。
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ばけばけ第15話のあらすじ(10月17日)
騒ぎ
数日後、工場では騒ぎが起こります。
せんが織った布に傷があると平井が激怒し、彼女を平手打ちにしたのです。
事務室にいた三之丞はただ立ち尽くすばかり。そこへ傅が現れ、息を切らしながら叫びました。
「三之丞……なんじゃこのありさまは……!」
傅はその場で再び倒れてしまいます。重圧に押し潰された三之丞は心の内を吐き出しました。
「無理ですよ……何も教わってない三男坊が、いきなり家を背負えだなんて……」
そして思わず、トキの出生の秘密を皆の前で暴露してしまったのです。
傅の最期
傅は残された力を振り絞り、トキに告げます。
「……お前は、わしとタエの子ではない。司之介とフミの子じゃ」
するとトキは落ち着いた表情で答えました。
「知っちょります…」
その言葉を最後に、傅はタエを見つめながら静かに目を閉じました。雨清水家の大黒柱は旅立ってしまったのです。
トキの涙と、サワの抱擁
傅の死を受け入れきれず、トキはひとり共同の洗い場へ向かいました。そこで出会ったのはサワでした。
「取り乱したいのに、どうしたらいいか分からんのよ……」
サワの胸に飛び込み、声をあげて泣き続けるトキ。
「よしよし、ええぞ、上手に取り乱せちょる」
サワの言葉に支えられ、トキはようやく心の奥の痛みをさらけ出すことができたのでした。
⇒ 小泉セツと稲垣家の関係|なぜ養子に出された?養父母や家柄も「ばけばけ」深掘り
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ばけばけ第3週のあらすじ解説
『ばけばけ』第3週は、物語の空気がぐっと変わる大切な一週間になりそうです。
これまで穏やかに描かれてきたトキと銀二郎の新生活に、松野家の借金や雨清水家の跡継ぎ失踪といった現実の重さが押し寄せます。
なかでも大きな見どころは、トキの出生をめぐる秘密。
傅の病をきっかけに、これまで隠されてきた真実がにじみ出し、家族の絆を大きく揺さぶります。
優しいだけのヒロインでは終わらないトキが、この現実をどう受け止めていくのかに注目です。
さらに、傅の最期や三之丞の心の迷いなど、雨清水家の人間模様もドラマを一層濃くしています。
サワに抱きしめられ涙を流すラストは、見る人の心に深く残るはず。
ばけばけ第3週は“家族とは何か”を静かに問いかけてくる、印象深い展開になりそうですね。
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ばけばけ第3週にまつわる実話
ドラマ『ばけばけ』で描かれるトキの姿には、実在の女性・小泉セツの人生が重なっています。
セツが最初に結婚したのは明治19年(1886年)、18歳のときでした。相手は鳥取藩の困窮士族の次男・前田為二で、婿養子として稲垣家に迎えられます。
武家社会では、家督を継げるのは長男だけ。次男以下は他家に婿入りするのが慣習であり、為二もその例にあたりました。
初めて顔を合わせたその日が祝言の日という、時代らしい結婚の始まりだったといいます。
しかし、そこには温かな思い出も残されています。
為二は働き者で、これまで家計を支えてきたセツと養母トミの苦労を和らげてくれました。
さらに二人は物語好きという共通点を持ち、夜な夜な語り合うのが楽しみとなったそうです。
けれども、その幸せは長く続きませんでした。為二はやがて家の窮乏に耐えられず出奔してしまいます。
残されたセツは再び養父母のもとに戻され、数年後には「復籍」という形で小泉家に帰りました。
この最初の結婚は短く幕を閉じましたが、働き者の夫との暮らしや、物語を通じて心を通わせた時間は、後のセツの人生に深い影を残したことでしょう。
ドラマ『ばけばけ』で描かれるトキの姿には、このセツの経験が色濃く投影されているのかもしれません。
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