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あんぱん

やなせたかしは何歳でアンパンマンを描いた?誕生のきっかけと秘話を紹介!

昭和から令和へと時代を越えて愛され続けるヒーロー「アンパンマン」。
その生みの親・やなせたかしさんが、実は50歳を過ぎてからアンパンマンを描き始めたことをご存じでしょうか?

この記事では、

  • やなせたかしさんは何歳でアンパンマンを描いたのか
  • アンパンマン誕生のきっかけと理由
  • 作品に込められた深い思いと人生の背景

についてお伝えします。

 

やなせたかしは何歳でアンパンマンを描き始めた?

アンパンマンが初めて世に登場したのは、じつは、やなせたかしさんが50歳のとき

人生の折り返し地点をすぎてから生まれたヒーローは、やがて子どもたちの心に深く根づく存在となりました。

50歳で原型を発表、54歳で絵本化、69歳でテレビ放送

アンパンマンの“はじまり”は、1969年

やなせたかしさんが50歳のときに発表した雑誌作品に、その原型が描かれました。

丸顔で、空を飛び、困っている人に“あんぱん”を分け与える姿。それが、アンパンマンの最初のかたちです。

 

そこから4年後、1973年(54歳)絵本『あんぱんまん』が出版されます。

表記はまだ“ひらがな”でしたが、今のアンパンマンに近いビジュアルとストーリーがこのとき確立されました。

そして1988年、やなせたかしさんが69歳になった年。

テレビアニメ『それいけ!アンパンマン』の放送が始まりました。

国民的キャラクターとなるまでには、なんと20年近い年月がかかっていたのです。

 

“遅咲きのヒーロー作家”となった背景とは?

やなせたかしさんの人生は、決して順風満帆ではありませんでした。

28歳で三越の宣伝部に就職し、34歳で独立したものの、しばらくは無名時代が続きます。漫画やイラストの仕事をしながら、生計を立てていたそうです。

アンパンマンを生んだのは、50代になってから

ヒーローものを描きながらも、「強くて格好いい」より、「人の役に立つヒーロー」を求め続けた末の答えが、アンパンマンだったのです。

69歳でアニメ化、人生の“第二幕”がスタート

昭和から平成に変わるころ。

世間ではすでに“定年”の年齢を迎えるタイミングでしたが、やなせたかしさんの物語はここからが本番。

レビアニメの放送が始まったのはやなせたかしさんが69歳のとき

「今さらテレビ?」「子ども向け?」と疑問の声もあったそうですが、ふたを開ければ大人気。

多くの子どもたちが、アンパンマンとその仲間たちに夢中になっていきました。

その姿はまさに、“遅れてきたヒーロー作家”。

人生は何歳からでも輝ける、というメッセージそのものでした。

 

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なぜ“あんぱん”のヒーロー?誕生のきっかけと理由

アンパンマンが生まれた背景には、戦争での記憶や、空腹のつらさ、そして「あんぱん」そのものへの想いがありました。

やなせたかしさんがなぜ“あんぱん”をヒーローに選んだのか、その理由をひもといていきます。

「飢えを救うヒーローがいない」ことへの違和感

戦後のヒーローといえば、怪獣を倒したり悪を懲らしめたりする存在ばかり。

そんな中、やなせたかしさんはふと、こう思ったといいます。

「飢えた子どもに一切れのパンを与える。少なくともそれはひっくり返ることのない正義であるはずだ」

(『わたしが正義について語るなら』、ポプラ新書)

社会の中で本当に必要とされるヒーローって、空腹の子どもを助ける存在なんじゃないか?

そんな素朴だけれど根源的な疑問から、アンパンマンという“正義の味方”は生まれていきました。

 

戦時中の体験と空腹の記憶が原点に

やなせたかしさんが21歳で徴兵され、赴いた戦地で何より辛かったのは“飢え”だったそうです。

ぼくは、戦争の原因は“飢え”と“欲”ではないかと考えています

出典:『ぼくは戦争は大きらい』(小学館)

食べるものがないという極限状態で過ごした若き日々の体験が、アンパンマンの原点にあります。

アンパンマンを創作する動機のひとつは、“正義とは何か”ということです。ひもじい人に、パンの一切れを差し出す行為。それを正義と呼ぶのです

出典:『Newsポストセブン

単なるヒーローものではない、食べさせること”に価値をおいたキャラクター像が形になっていきました。

 

名前も姿も“子どもが安心できる存在”に進化

最初に描かれたアンパンマンは、今とはまったく違うビジュアルでした。

やなせたかしさんが『PHP』誌で発表した当初は、あんぱんを配る“人間のおじさん”風の姿だったのです。

けれど、子どもたちに親しんでもらうには、もっとシンプルで可愛らしいヒーローがいい。

そうして、“あんぱんの顔をもったキャラクター”として生まれ変わりました。

 

やなせさんは、あんぱんをヒーローのモチーフに選んだ理由について、こんなふうに語っています。

「パンは洋で、あんは和。あんパンは日本と西洋の『いいとこ取り』をしたんだよ。だからアンパンマンにしたんだ」

出典:文春オンライン

子どもが見てすぐに「これは優しいヒーローだ」と感じる安心感。

アンパンマンは、そんな想いからデザインされていったのですね。

 

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やなせたかしのアンパンマンへの思い

やなせたかしさんがアンパンマンに託したのは、「強い者が勝つ」という従来のヒーロー像ではなく、“ただ目の前の困っている人を助ける”という、まっすぐな優しさでした。

「本当の正義の味方は、戦うより先に、飢える子どもにパンを分け与えて助ける人だろうと思った」

アンパンマンは、戦って勝つヒーローではありません。

自分の顔をちぎって、誰かの空腹を満たすために飛んでいく。

それこそが、やなせたかしさんが描きたかった「本当の正義」。

「逆転しない正義とは献身と愛だ。困っている人のために愛と勇気を振るって、ただ手を差し伸べることだけなのだ」

出典:わたしが正義について語るなら

そんなやなせたかしさんの“思い”は、敵役のバイキンマンにも表れています。

 

バイキンマンも“必要な存在”として捉えた共存の視点

やなせたかしさんは、物語の中でバイキンマンを“ただの悪役”として扱ったわけではありません。

むしろ、彼にとってバイキンマンとは「アンパンマンが存在するための影」にほかならなかったのです。

「われわれの体の中も、そういう構造になっている。善玉菌と悪玉菌と両方いる。悪玉菌が多くなると、下痢をしたり、いろいろな病気になる。でも、悪玉菌ゼロになるとどうなる? 死んでしまう。人は子どもの時から、はしかにかかったり、いろいろな病気にもかかって大きくなっていく。抵抗力を付けて大きくなっていくわけだ。だから、アンパンマンはバイキンマンが両方存在して、対立しているんだけど、そのバランスがいい場合に健康になる。」

出典:『詩と人生』(藤平咲雄・文芸広場社)

また、京都市の教育資料でもこう述べられています。

「バイキンマンは、善悪の典型というより、“必要悪”として描かれている。善が引き立てられることで、アンパンマンの存在価値も明確になる」

(ひと・まち・ロマン 元気都市・京都)

アンパンマンのやさしさも、バイキンマンの滑稽さも、どちらも「生きること」のリアルな姿。

やなせたかしさんは、ヒーローの世界を通じて、現実の世界で必要な“多様性と共存”を、さりげなく伝えようとしていたのかもしれません。

 

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アンパンマン誕生までの知られざる道のりと戦争の影

アンパンマンが生まれるまでには、やなせたかしさんの心を深く揺さぶった出来事がいくつもありました。

弟との別れ、戦時中の体験、そして長い長い“下積み時代”──。

あのやさしいヒーローが生まれた背景には、実は壮絶ともいえる人生の道のりがあったのです。

弟の戦死が与えた影響

やなせたかしさんには、千尋(ちひろ)さんという最愛の弟がいました。

しかし戦争末期、千尋さんは駆逐艦「呉竹」に乗って出征し、わずか22歳の若さで戦死。

帰国後、やなせさんがその事実を知ったときの衝撃は、言葉では言い表せないものだったといいます。

のちにやなせさんは、「アンパンマンの丸い顔が、弟に少し似ていて…胸が締めつけられる」と語っています。

 

特攻隊慰問とプロパガンダ制作の日々

戦争中、やなせたかしさんは前線で戦うのではなく、宣伝・慰問活動を担う立場にありました。

紙芝居を描いたり、特攻隊の兵士に向けて演芸を披露したり──そうした日々は、表向きは穏やかでも、心の奥では葛藤があったそうです。

命を賭して飛び立っていく若者たちを目の前にしながら、

「自分がしているのは、本当に正しいことなのか?」

と、やなせさんは自問していました。

 

その思いは戦後、編集者や広告デザイナーとして働きながらも、ずっと心の奥に残り続けることになります。

「本当の正義とは何か」を模索した結果のキャラクター

やなせたかしさんがずっと探していたもの──それは、「正義ってなんだろう?」という問いの答えでした。

強い者が勝つこと? 悪を倒すこと?

でも戦争を体験したやなせさんにとって、それはどうしても“正義”には思えなかったのです。

たどりついたのは、「困っている人に手を差し伸べる」ことこそが、本当の正義なのではないか、という結論でした。

その答えを形にしたのが、アンパンマンだったのです。

自分の顔をちぎって差し出すという、ちょっと不思議で、だけど心あたたまるヒーロー。

「生きるってすごいことだよ」
「君はそのままでいいんだよ」

アンパンマンはそんなメッセージを、いつもそっと伝えてくれているのかもしれません。


以上、今回はやなせたかしさんがアンパンマンを描いた年齢や、その誕生に込められた思いについてお伝えしました。

アンパンマンが生まれたのは、やなせたかしさんが50歳を過ぎてから。

戦争での体験や弟の死、そして「本当の正義とは何か」という問いに向き合い続けた人生の中から、“顔をちぎってでも人を助ける”という優しいヒーローが生まれました。

何歳からでも、新しいものは生まれる。

やなせたかしさんの歩みは、そんな勇気もそっと教えてくれていますね。

 

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