2025年前期朝ドラ「あんぱん」第16週のタイトルは「面白がって生きえ」。
東京出張の最終日、のぶと嵩はようやく“ガード下の女王”薪鉄子に辿り着きます。記者としての在り方に揺れるのぶ、そして思わぬ再会を果たす嵩。
問いかけと決断が交錯する一週間。のぶが選ぶ次の一歩とは?
この記事ではあんぱん第16週のあらすじとネタバレを紹介します。
あんぱん第16週のネタバレとあらすじ
あんぱん 第76話|女王との対面
東京出張の最終日、のぶと嵩はついに取材対象の“ガード下の女王”こと薪鉄子を見つけ出します。雀荘に現れた鉄子のあとを追って雑居ビルへ入ると、そこには行き場をなくした女性たちがひっそりと身を寄せ合っていました。
その空間に突如として不穏な男たちがなだれ込んできて、一触即発の雰囲気に。のぶはとっさにカメラを構え、記者として現場に立ち向かいます。緊迫した空気が張り詰めるなか、警察が駆けつけ、事態は収束しました。
混乱の後、ようやく薪鉄子への取材が実現。鉄子はのぶの姿勢に興味を持ち、逆に質問を投げかけます。そして別れ際、不意にのぶへと問いかけました——「私のもとで働いてみないか。一緒に“探して”みないか」と。
その帰り道、のぶは不意を突かれて少年にカメラをひったくられてしまいます。ところが、その少年を静かに制止したのは、孤児たちの世話をしていたある男。そしてその男こそ、かつての知人・八木でした。思わぬ場所での再会が、のぶを待ち受けていました。
あんぱん 第77話|八木の素顔
東京滞在中、嵩はかつての小倉連隊時代の仲間・八木と再会します。戦後の混乱のなか、八木は闇酒の売上で孤児たちに食事を与え、学びの場まで提供していました。その姿に強く心を動かされたのぶは取材を申し出ますが、八木はそれをはねつけます。
のぶは諦めず、周囲の人々や子どもたちから少しずつ八木の話を聞き取り、彼の人となりを丁寧に掘り下げていきました。東京出張を終えて高知に戻ったのぶは、薪鉄子ではなく八木を主題にした記事を執筆します。
その原稿を目にした東海林は、一度は不採用を決めます。しかし嵩が強く推したことで、最終的に記事は掲載されることに。「月刊くじら」の最新号が発売され、嵩が手がけた表紙には、のぶを思わせる女性の姿が描かれていました——ただし、のぶ本人だけがそのことに気づいていませんでした。
数日後、編集部に一本の電話がかかってきます。相手は薪鉄子。記事に自分のことが触れられていなかったことへの抗議かと誰もが身構えるなか、それはのぶの人生を揺さぶる、思いもよらぬ内容の電話でした。
スポンサーリンク
あんぱん 第78話|揺れる心
「月刊くじら」最新号の発売から数日後、編集部に薪鉄子からの電話が入ります。編集部員たちは、東京で取材したにもかかわらず鉄子の記事を掲載しなかったことに対する抗議だと身構えます。
ところが、電話の内容は予想外のものでした。鉄子は、のぶの八木に関する記事を高く評価し、自分の活動を手伝ってほしいと正式に依頼してきたのです。
その夜、東海林は嵩・岩清水・琴子と屋台で飲みながら語ります。鉄子がのぶを引き抜こうとしていること、そしてのぶも鉄子に魅せられていることを。嵩もまた、鉄子の本気度を感じていました。
一方、のぶはメイコに鉄子とのやり取りを語りながら、戦争によって奪われた青春に思いを馳せていました。そんな夜更け、若松家の戸口に姿を見せたのは蘭子でした。
あんぱん 第79話|別れの時
釜次の体調悪化を知らされたのぶとメイコは、急ぎ朝田家へ戻ります。ところが帰ってみると、釜次は普段通りに働いており、ふたりは拍子抜け。しかし羽多子は、釜次の肺が弱っていることを静かに打ち明けます。
のぶは釜次に、東京で出会った薪鉄子の話を熱心に語ります。そんなのぶに、釜次は「本当にやりたいことは何なのか」と問いかけますが、のぶはその答えを見つけられません。
そこへ嵩が見舞いに訪れ、のぶは釜次のために漫画を描いてほしいと頼みます。嵩の漫画に釜次は笑顔を見せ、千尋が戦争に行かなければもっと読めたのにと語りました。
夕方、釜次は結太郎の帽子を手にしながら、のぶに想いを託します。家族のために尽くしてきたお前が、これからは自分の夢を貫けと。そして、のぶ、蘭子、メイコが歌う「よさこい節」を聴きながら——釜次は静かにその時を迎えました。
スポンサーリンク
あんぱん 第80話|原点の味
釜次の葬儀がしめやかに営まれる中、長らく姿を見せなかった草吉が朝田家に戻ってきます。6年ぶりの帰郷でしたが、再会を心待ちにしていた釜次の死は草吉にとって大きな衝撃となりました。羽多子に勧められ、草吉はその夜朝田家に泊まりますが、翌朝には静かに姿を消していました。
のぶは葬儀を終え出社すると、東海林から思いがけない言葉を浴びせられます。「のぶは記者には向いていない」と。のぶの記事は子どもへの共感に偏っており、記者としての冷静な視点に欠けるという指摘でした。
その夜、のぶは釜次や次郎の言葉を思い返し、自分が本当に進むべき道について考えを巡らせます。そして「助けたい人がいるなら遠くまで走って行け」という言葉を胸に刻み、朝田家へ向かいます。
のぶは、焼香に訪れていた嵩や家族の前で、東京へ行き薪鉄子のもとで働くと宣言します。その場でふと香ばしい匂いに気づいたのぶ。釜次の残した窯で草吉が、とうもろこし粉とさつま芋を使い、あんパンを焼き上げていたのでした。懐かしく、力強い味が、旅立ちの決意をそっと後押ししていました。