2025年前期朝ドラ「あんぱん」第14週のタイトルは「幸福よ、どこにいる」。
戦争の喪失と混乱を経て、のぶは記者として新たな一歩を踏み出し、嵩は自分の未来を模索しながら生き抜こうとします。戦前・戦中とは異なる世界で、幸福とは何かを問い続ける、登場人物たちの再構築の物語が始まります。
この記事ではあんぱん第14週のあらすじとネタバレを紹介します。
あんぱん第14週のネタバレとあらすじ
あんぱん 第66話|戦後の第一歩、のぶの記者人生が動き出す
昭和21年2月。終戦からまもない混乱の中、のぶは念願叶って高知新報の記者として新たな一歩を踏み出しました。彼女とともに採用されたのは、同じく女性の小田琴子。ふたりは、高知新報で初めての女性記者として、男性ばかりの職場に飛び込むことになります。
初出勤の日、のぶはベテラン記者たちに連れられ、いきなり取材現場へ。速記を駆使して懸命にメモを取るものの、現場の空気に飲まれ、なかなか要領を掴めずにいました。
翌日には、のぶひとりで闇市へ足を運びます。そこで出会ったのは、戦争で家族を失った子どもたち。彼らのたくましく生きる姿を目にしたのぶは、胸を打たれながら記事をまとめました。
しかし、提出した原稿は上司・東海林に厳しく突き返されてしまいます。悔しさをかみしめながら何度も推敲を重ねたのぶ。ついに、彼女が書いた記事が朝刊に掲載されることが決まり、ようやく記者としての一歩を実感するのでした。
その日の夕方、ひと息ついていたのぶに声をかけたのは、同期の琴子。ふたりは闇市で一杯飲もうと連れ立ちます。酒が進むうちに琴子は、「結婚相手を見つけるために新聞社に入ったの」と本音をぽつり。のぶは驚きながらも、戦後という時代を生き抜く女性たちの強さとしたたかさに、静かに思いを巡らせるのでした。
あんぱん 第67話|新たな挑戦、夕刊創刊への道
高知新報が新たに夕刊を発行する計画を立ち上げることになり、申請の準備が着々と進んでいました。そして申請が通ったのち、その編集長に任命されたのは、社会部の東海林。彼の指名によって、のぶと岩清水のふたりも夕刊編集チームの一員として加わることになります。
編集局として使われることになった倉庫を片づけながら、東海林は口を開きました。「戦争中は戦意高揚の記事を書き、終わったら何事もなかったようにすり替える…そんな新聞にうんざりしている」と、胸の内を語ります。
その言葉に、のぶも心を動かされ、自身の過去に向き合います。「かつて教師として、正しくないことを子どもたちに教えてきた。そんな自分が今、人に伝える文章を書いていることに怖さを感じているんです」と、正直な想いを打ち明けました。
そのやりとりを受けて、東海林はあらためて決意をにじませます。これからの夕刊は、過去の誤りを繰り返さず、戦後を生きる人々の等身大の声を伝えていくものにしようと。
そのころ嵩は、健太郎や康太とともに、進駐軍が処分した物資の中から見つけた品々を売る古道具屋のような店を始めていました。ある日、店に紛れ込んでいたアメリカ製の雑誌に掲載された漫画が嵩の目にとまり、ページをめくる手が止まらなくなります。
一方、朝田家では、ラジオから流れるのど自慢の歌声に、メイコが静かに耳を傾けていました。戦後の暮らしが少しずつ動き始める中、それぞれの胸の中に、新しい夢や思いが芽生えはじめていました。
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あんぱん 第68話|諦めない心が動かすもの
夕刊チームの一員として、のぶは新しい紙面作りに情熱を注いでいました。しかしそんな矢先、思いもよらぬ知らせが届きます。編集長の東海林から「夕刊の発行は認可されなかった」と告げられたのです。高知新報が申請した夕刊の計画は、上層部の判断であっけなく却下されてしまいました。
それでも、のぶは筆を止めませんでした。紙面には載らなくても、現場に足を運び、人々の声を記事にまとめていきます。「どうせ無駄だ」と力なく語る東海林に対して、のぶは静かに伝えました。「絶望のすぐ隣に希望があるって、教えてもらったことがあるんです」と。
そのひと言が、東海林の胸に火を灯します。後日、彼はふと立ち寄った闇市で、健太郎が並べていたアメリカの雑誌の中に『HOPE』というタイトルの一冊を見つけ、迷わず購入。それを手に高知新報へ戻ると、局長の霧島のもとへ向かい、あきらめずに何かを提案しようと詰め寄るのでした。
一方そのころ、朝田家ではメイコが大きな決意を胸に、蘭子に頭を下げていました。「お願い、少しでいいからお金を貸してほしいの」——理由を問われたメイコは、夢を語ります。「東京へ行って、のど自慢に出たいの」と。
けれども、蘭子はメイコの言葉を一蹴します。夢よりも現実を見るようにというような冷たい態度。メイコの願いは、叶わないまま宙に浮いてしまうのでした。夢と現実が交錯する中、それぞれの思いが静かに揺れていました。
あんぱん第69話
高知新報が、夕刊に代わって月刊の雑誌を出すことが決定しました。進駐軍から月刊誌刊行の許可がおりたのです。夕刊の発行がなくなり時間を持て余していたのぶと岩清水は、東海林から告げられたその決定を心から喜びました。
そんな中、メイコが家出したとの連絡がのぶのもとに入りました。のぶはメイコのことが心配で、打ち合わせにも身が入らなくなりました。そんなのぶを見るに見かねた東海林は言いました。家出人の取材に行ってこいと。
その日、のぶが帰宅すると家の前でメイコがのぶの帰りを待っていました。メイコはのぶに言いました。のど自慢に出ることを家族に反対され一人で東京に行くつもりだった。しかし、不安になって高知駅で下車。のぶの家に来たのだと。
のぶとメイコが話し込んでいるところに羽多子もやって来ました。メイコはのぶと羽多子に言いました。高知で働いて東京に行くお金は自分で貯める。その間、のぶの家に置いて欲しいと。メイコの願いをのぶと羽多子は受け入れました。
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あんぱん 第70話|新しい夢と、思わぬ再会
東京行きの夢を胸に、メイコはのぶの家で暮らしながら高知で働くことを決意しました。限られた時間の中で、しっかりとお金を貯めていくつもりです。
一方その頃、高知新報では夕刊に代わる新たな挑戦として、月刊誌の創刊プロジェクトが本格始動。取材や執筆に加え、雑誌の発行に必要な広告を集める営業活動にも、編集部のメンバーが総出で取り組むことになりました。
しかし、最大の壁はその広告。誌面の準備は順調に進むものの、肝心の広告がなかなか集まりません。そんな中、のぶは自ら営業に名乗りを上げ、毎日のように街を駆けまわりました。けれど、誠意を込めた売り込みにもかかわらず、結果は思わしくなく、苦戦が続きます。
そんなある日、同期の琴子が「知り合いの店を紹介する」と声をかけてきました。のぶが案内されたのは、かつて営業に訪れ、番頭に断られた質屋でした。しかし今回、店主は話を快く受け入れ、雑誌への広告掲載を承諾してくれたのです。
小さな希望の光が見えはじめた頃、高知新報では新たな人材を求めて入社試験が行われることに。のぶも東海林の頼みで試験会場の手伝いに駆り出されました。原稿用紙を配っていたそのとき、遅れて入ってきたひとりの若者の姿に、のぶは思わず動きを止めます。
それは、しばらく顔を見ていなかった嵩でした——。夢を追う人々の道が、再び交差しようとしていました。