朝ドラ『ばけばけ』で注目を集めているのが、北川景子さん演じる雨清水タエ。
主人公トキに厳しくも温かく接する姿が印象的ですが、実はこのキャラクターには実在のモデルがいます。
この記事では
- 雨清水タエの実在モデル・小泉チエとは誰か
- チエの家系図と松江藩にまつわるルーツ
- 北川景子さんが演じるタエの魅力
についてお伝えします。
ばけばけ雨清水タエ(北川景子)の実在モデルは小泉チエ
NHK朝ドラ『ばけばけ』で北川景子さんが演じる雨清水タエは、主人公・松野トキ(モデル=小泉セツ)の「遠縁のおば」にあたる人物。
とした立ち居振る舞いと、武士の誇りを貫く強さが印象的なキャラクターですね。
そんなタエの実在モデルとされるのが、小泉セツの実母・小泉チエ(1837年生)。
松江藩家老の家に生まれ、のちに藩士・小泉湊に嫁いだ“武家の娘”です。ドラマで描かれる「誇り高きタエの姿」は、まさにチエの生きざまを映し出しているといえるでしょう。
ここでは、小泉チエの家系や生い立ち、そして小泉チエがどんな人物だったのかみていきましょう。
小泉チエの家系図
小泉チエは、明治時代の作家ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の妻・セツの実母にあたります。つまり、チエは八雲の義母であり、松江藩の名門「塩見家」の血を引く人物です。
系譜 | 関係 | 備考 |
---|---|---|
塩見増右衛門 | チエの父 | 松江藩家老。藩主を命がけで諫死。 |
小泉湊 | 夫 | 松江藩500石取りの上級藩士。 |
小泉チエ | 本人 | “御家中一の器量よし”と評された美貌の女性。 |
小泉セツ | 娘 | 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の妻。 |
稲垣家(松野家モデル) | 養家 | セツを養育した中下級武士の家。 |
松江藩家老の娘として誕生
ばけばけで登場する雨清水タエ(北川景子)の実在モデルとされる小泉チエは、1837年、松江藩家老・塩見増右衛門の一人娘として誕生した
チエは藩内でも評判の“御家中一の器量よし”と呼ばれ、美しさと品位を兼ね備えた娘でした。
父の増右衛門は、藩主・松平斉貴の放蕩を命がけでいさめ、自ら腹を切って忠義を示した人物として知られています。
いわゆる「陰腹」を切り、最後まで職務をまっとうしたという壮絶な逸話が残されているのです。
そんな父の生きざまを見て育ったチエは、幼い頃から「武士の家に生まれた誇り」と「己の責務」を深く心に刻み、のちにどんな苦境にも折れない強い女性へと成長していきました。
若くして体験した悲劇の婚礼
幼いころから「家の誇り」を背負って育ったチエでしたが、その人生は早くも波乱に満ちていました。
わずか12歳のとき、松江藩内の高位の武士の家に嫁ぎます。
当時の武家社会では珍しくない早婚でしたが、その婚礼の夜――
彼女を待ち受けていたのは、想像を絶する悲劇でした。
新郎は、侍女(腰元)との不義を恥じて心中。庭先で二人が無残な姿で発見されたのです。
チエは、その場で取り乱すこともなく、冷静に事態を報告し、最後まで毅然とした態度を崩さなかったといいます。
年端もいかぬ少女が見せたその落ち着きは、家中の人々を驚かせ、チエの「精神的な強さ」として語り継がれることになります。
この経験こそが、のちに小泉チエが見せる“凛とした女性像”の原点だったのかもしれません。
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小泉家に嫁ぎ、のちにセツを生む
その後チエは、14歳で再び嫁ぎます。相手は松江藩500石の上級藩士・小泉湊(こいずみ・みなと)。
湊は藩の「番頭」と呼ばれる警護職のまとめ役で、誠実な人柄で知られていました。
ふたりのあいだには6人の子が生まれ、末娘がのちの小泉セツです。
このセツこそが、のちに作家ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の妻となる女性。つまり、ドラマ『ばけばけ』の主人公・トキのモデルですね。
しかしセツは、生後わずか7日で親戚の稲垣家に養子に出されました。
稲垣家(ドラマの松野家)は中下級の武士の家であり、格上の小泉家から子を授かることは大きな名誉とされていました。
セツは幼少期をこの稲垣家で育ち、のちに語る「怪談」や「家の誇り」は、母チエの面影と教えから生まれたものといわれます。
チエに受け継がれた“武士の魂”
小泉チエという女性を語るうえで欠かせないのは、彼女の中に流れていた“武士の魂”です。
父・塩見増右衛門の忠義、幼くして経験した婚礼の悲劇、そして上級武士の家に生まれた誇り。
どれもが彼女を形づくる大きな要素でした。
明治という新しい時代になっても、チエは「武士の娘としての生き方」を曲げませんでした。夫に対しても毅然とした態度を貫き、
娘セツに対しても常に誇り高くあろうとしたと伝わります。
ドラマ『ばけばけ』の雨清水タエが、夫・傳(堤真一)に対して毅然と振る舞い、“武士の妻としての誇り”を見せる姿は、まさにその象徴といえるでしょう。
セツ自身も晩年の回想で、
「母はいつも背筋が伸びていて、美しい人でした」
と語っています。
それは、時代が変わっても失われなかった“武士の魂”そのものだったのかもしれません。
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ばけばけ雨清水タエ役は北川景子
朝ドラ『ばけばけ』で雨清水タエを演じるのは、北川景子さんです。
実は、北川景子さんにとっては、これが初めての朝ドラ出演です。放送前からSNSでも話題になっており、「北川景子が朝ドラに出るなんて!」とワクワクしている人も多いみたいですね。
北川景子のプロフィール
- 生年月日:1986年8月22日(兵庫県神戸市出身)
- 身長:160cm
- 血液型:O型
- 学歴:明治大学商学部卒業
- デビュー:雑誌『SEVENTEEN』の専属モデルとして活動をスタート
- 代表作:ドラマ『家売るオンナ』『西郷どん』、映画『ファーストラヴ』など
モデル出身で、知的でクールな印象がある北川さん。でも、演じる役はいつも芯があって、見る人の心を動かします。
今回のばけばけのタエも、まさにそんな彼女にぴったりの役どころですね。
ばけばけの雨清水タエ
物語の舞台は、明治のはじめごろ。雨清水タエは、旧松江藩の上級武士の妻として生きています。
時代が大きく変わる中で、「武士の娘は金を稼いだりいたしません」ときっぱり言い切る場面がとても印象的です。
夫・傳(堤真一)が時代の波に乗ろうとするのに対し、タエは昔ながらの誇りを守ろうとします。
変わりゆく世界と、変わりたくない心。
そのはざまで揺れるタエの気持ちを、北川さんは静かに、丁寧に演じています。
インタビューでは、
「タエは時代の流れの中で、自分を見失わない女性。その強さと迷いをどう表現できるかが挑戦でした」
と語っています。
着物姿の北川さんも本当に美しく、凛とした立ち姿には思わず見とれてしまうほど。
まるで時間が止まったような静けさの中に、タエの心の強さが伝わってきます。
タエは、トキにとって“こわいけど尊敬できる人”。
そして、物語の中でトキを成長させていく大切な存在です。
北川景子さんがどんなタエを演じるのか―これからの展開がますます楽しみですね。
以上、今回は『ばけばけ』に登場する雨清水タエ、そしてその実在モデルとなった小泉チエについてお伝えしました。

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