この記事では、2024年のNHK大河ドラマ「光る君へ」第44話のあらすじをネタバレありでご紹介します。
道長と頼通、そして三条天皇の複雑な思惑が絡み合い、物語は新たな展開を迎えることに。父として、摂政としての責任を背負った道長がどのような決断を下すのか、頼通との親子の絆が試される瞬間です。
第44話ではまた、栄光を極めた藤原家に新しい時代が訪れる重要な場面が描かれています。ネタバレが含まれますので、視聴前の方はご注意ください。
光る君へ|第44話のネタバレとあらすじ
頼通の決意と家族の絆
三条天皇は長和四年(1015年)、道長に対して、自分の娘である禎子内親王を藤原頼通に嫁がせたいと申し出ます。
頼通にはすでに、具平(ともひら)親王の娘・隆姫という妻がいたため、道長は一度断ります。しかし、三条天皇は譲らず、これは譲位を引き延ばすための策略だと道長も察していました。とはいえ、天皇の願いを拒むことはできません。
頼通の両親である道長と倫子は、禎子内親王との結婚を頼通に説得しますが、頼通は断固として拒否。
「もしお父上とお母上がそのようなことを私に命じられるなら、私は隆姫と都を出ます。藤原の家も左大臣の立場もすべて捨て、二人だけで生きていきます」
とまで言い切る頼通。
その言葉に、道長はかつての自分を思い出します。道長もまた、若いころ、藤原家を捨てて遠くで生きようと考えていたことがあったからです。
権力と家族の葛藤
頼通の強い意思に道長は、三条天皇の申し出をうまくかわすための策を考えます。道長は、頼通が怨霊によって重病にかかっているという噂を流させました。この噂はすぐに天皇の耳に入り、
「怨霊が憑いた者に姫を嫁がせることはできぬ」
と、天皇は禎子内親王との結婚を諦めざるを得なくなります。
その後、三条天皇は譲位を決意しますが、一つ条件をつけました。それは、東宮(皇太子)に敦明(あつあきら)親王を立てるというものです。敦明親王は娍子(すけこ)との子であり、三条天皇の意志は譲れないものでした。
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道長の権力の頂点
三条天皇が譲位を決め、後一条天皇が即位。
道長は幼い天皇の摂政となり、名実ともに国家の頂点に立つことに。その頃、道長の妻・倫子の母である源穆子(むつこ)が86歳で亡くなります。穆子の人生は、夫が左大臣、娘婿が摂政、ひ孫が天皇という大きな栄光を手にした幸せなものでした。
道長は、摂政としての役割を全うするため、公卿たちの意見を聞くことを大切にしていましたが、道長に権力が集中しすぎていると感じる者も増えていきました。
公卿の一人である藤原公任は、道長に対して
「内裏の平安を思うならば、左大臣を辞するべきだ」
と助言。
かつては天皇に譲位を求めていた道長が、今度は自らの地位を降りるかどうかを問われる立場になっていたのです。
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道長の内心と頼通への期待
この年の終わりごろ、道長はまひろの局を訪れ、摂政と左大臣の役職を辞し、次の代に託そうと考えていることを伝えます。
「摂政になってまだ一年にもならないのに」
とまひろは驚きますが、道長は頼通に自分の思いを受け継がせたいと決心していました。といっても、道長は
「頼通に伝えても、何の意味があるだろう」
と、自分の考えが次世代にどこまで影響するか、疑問も抱いていました。
そんな道長に対して、まひろは未来への希望を語ります。
「たとえ今は伝わらなくても、いずれ頼通様が気づかれる時が来るでしょう。次の代、その次の代と、少しずつ成し遂げられていくかもしれません」
それに対して、道長は
「お前だけでも、念じていてくれ」
と、心の支えを求めるように答えるのでした。
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道長の引退と新しい時代
翌年の寛仁元年(1017年)、道長はついに頼通に摂政の座を譲り、自身は左大臣も辞任します。頼通は摂政と内大臣を兼務し、新たな政治の時代が始まりました。
その後、出家した三条院(譲位後の三条天皇)は、娍子と敦明親王に見守られこの世を去ります。東宮となっていた敦明親王は、自ら東宮の座を降りたのでした。
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そして道長の娘たちもそれぞれ高い地位に就き、藤原家の栄光がさらに輝きを増していきます。しかし、その裏では、道長の娘たちの中には、この状況を喜んでいない者もいました。妍子は
「父上と兄上以外、めでたいと思っている者はいません」
と冷たく言い放ち、宴の席でもその反応は冷ややかでした。それでも、道長は満足そうに、三人の娘たちの成功を見届け、優雅に歌を詠むのでした。
「この世をば我が世とぞ思ふ、望月の欠けたることもなしと思えば」
この歌は、道長がこの世の栄光をすべて手に入れたという自信に満ちたものでした。宴の参加者たちはその歌に感嘆し、皆で唱和して祝福します。
道長の時代が終わり、新しい時代の幕開けを迎えた瞬間でした。
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光る君へ|第44話の見どころ
「光る君へ」第44話の注目ポイントの一つは、やはり道長の代名詞ともいえる、有名な歌「この世をば我が世とぞ思ふ、望月の欠けたることもなしと思えば」が詠まれる場面でしょう。
望月の歌とも呼ばれるこの歌は、道長が自分の力と藤原家の栄華をまさに満月のように全てが揃っていると誇った言葉で、歴史的にもとても有名なものですね。
光る君へ第44話では、頼通が摂政に就くことが決まり、道長の娘たちが后の地位を得て、藤原家はまさに絶頂期を迎えます。道長はその喜びを宴の場でこの歌に込め、自分の成功を堂々と披露。道長が築き上げた栄光が「欠けることのない満月」として描かれる瞬間は、まさにドラマの大きな見どころとなりそうです。
ただ、この栄光の裏には、道長の内面にある孤独や葛藤も隠れています。娘の妍子が冷たい態度を取るシーンや、道長が感じる虚しさが描かれることで、単なる成功物語だけではなく、彼が背負ってきた重さも感じられるかもしれません。
そんな道長が心の拠り所としていたのが、まひろ(紫式部)という存在。これまでのどんな試練にも、まひろとの約束があったから、ここまでこれた。それは、このドラマの当初から一貫したものでしたね。正妻の立場としては、なんとも切ないものですが。
正式な夫婦であっても、魂が通じあわない。妾にすらなれなくても、魂が通じ合っている。どちらが幸せだとか、そんな問題でないことはわかっていますが、ちょっと考えてしまいますね。
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